9月1日(土)、京都・西本梅で開催のシネマ夏フェス「地球(ほし)とヒトが’笑う’映画祭」。
星空の美しい自然に囲まれた環境で、参加者それぞれが自由なスタイルで楽しめる映画祭です。
都会の雑踏から離れ、風の音や虫の声、参加する仲間の笑い声が響くこの場所では、忙しい日々の中で忘れがちな「本当の自分」に出会えるはず。
そんなシネマ夏フェスではたくさんの映画を上映しますが、今回は「人-hito」エリアで上映する作品『神さまの轍』を紹介します。今、何かに悩んでいる人や、自分の進むべき方向を迷っている人におすすめの作品です。
『神さまの轍』の舞台はシネマ夏フェスと同じ京都府の井出町です。
ロードバイクに熱中する2人の青年の青春と夢、挫折、そして未来へ向かって進んでいく姿を描いた作品となっています。
NHK朝ドラ『ひよっこ』で演技派俳優として人気が高まった岡山天音さんと、『水戸黄門』の格さん役で幅広い年代から支持される荒井敦史さんのW主演で製作されました。
舞台は京都・井出町。中学生の勇利と洋介は、ふとしたきっかけからロードバイクを貰うことに。
勇利は上達スピードが早く、洋介は乗りこなすのに手こずります。
数年後に再会した2人。勇利はプロのロードレーサーに、洋介は会社員となり、ロードバイクには乗らなくなっていました。
そしてまた時は経ち、プロのロードレーサーとして活躍しながらも、掴んだ夢に挫折してしまう勇利と、自分の夢を見つけることが出来なかった洋介の人生とが、2人の思い出の地、井手町で開催されるロードレース大会《ツールドKYOTO2019》で交錯することとなります。
白熱するロードレースの中、二人の若者が選ぶそれぞれの未来とはーー。
1番の見どころは、やはりクライマックスのロードレース大会《ツールドKYOTO2019》がスタートしてから。主演の2人はスタントなしでロードバイクに乗り、このレースシーンも撮影したとのこと。スタントなしと知ってからこのシーンを見ると、あまりのスピード感から怪我や事故が心配になってしまうほど白熱したシーンです。カメラはロードバイクと並走し、本物の息遣いや汗、臨場感をたっぷり伝えています。
また、知的障害を持った自転車おじさんや、元不良で寺を継いだ上田、説教臭いが生徒を想う気持ちの強い中学校の恩師など、「実際にいそう」と思えるほど深い人物像を持ったキャラクターたちも見どころの一つです。主人公を含め、共感できるキャラクターがきっと一人はいるはず。
誰だって生きていれば、悩むことも、挫折することもあります。
しかし「自分だけじゃない」と頭ではわかっていても、悩みや挫折の真っ只中にいるときは周囲がやけに眩しく見えてしまうものです。
『神さまの轍』に出てくるキャラクターの、悩みや迷い、挫折、奮闘する姿を見ると、きっと勇気が湧いてくるでしょう。弱ったときに何度も見返したくなる映画ですよ。
Ⓒ2018映画『神さまの轍』製作委員会